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AGAの原因 しくみ

[2022.06.09]

目次

1AGAの原因

AGAによる薄毛や抜け毛の仕組みを知るためには、「ヘアサイクル(毛周期)」について理解しておくことが重要です。髪の毛の成長にはヘアサイクルと呼ばれる一定の周期があり、通常のヘアサイクルは約1000〜2000日かけて1周します。このヘアサイクルは、大きく3つの段階(成長期、休止期、退行期)で構成されています。

髪の毛の1本1本にはそれぞれ独立したヘアサイクルが存在していますが、個々で一生涯に繰り返される回数が決まっているため、ヘアサイクルが終了した時点でその髪の毛は寿命を迎えます。このヘアサイクルが極端に短くなってしまうのが、AGAです。

AGAには、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が体内の還元酵素「5αリダクターゼ(5α還元酵素)Ⅰ型およびⅡ型」によって変化し生成された「DHT(ジヒドロテストステロン)」が大きく関わっています。

DHTは男性ホルモン受容体の「アンドロゲンレセプター」と結合することで、髭などの体毛に対しては成長因子を刺激して毛を太く成長させる作用を持ちます。しかし、前頭部や頭頂部の髪の毛に対しては毛母細胞の分裂を抑制し、ヘアサイクルにおける成長期を短縮させてしまう働きを持っているのです。

DHTによる影響を受けたヘアサイクルは、成長期が最短100日程度と極端に短縮されてしまいます。これは、DHTの生成に関わる5αリダクターゼにより、髭などの体毛では“毛の成長を促すシグナル”が産生されるのに対し、前頭部や頭頂部では“毛の成長期を阻害するシグナル”が産生されるためと考えられています。

このようにヘアサイクルの成長期が極端に短縮されることで、髪の毛は十分に育たないまま退行期を迎えることになります。ヘアサイクルが乱れ、長く太い髪の毛へと成長できずに細く短い髪の毛ばかりが増えていくことを「軟毛化」と呼び、この軟毛化現象がAGAの進行を示し、薄毛へと繋がっていきます。

2 AGAのしくみ

ここまで説明した通りAGAの主な原因は男性ホルモンですが、遺伝も要因の一つとして考えられており、さまざまな遺伝子が影響していることが知られています。その一つに「X染色体」の影響が考えられています。AGAの発症に関与するアンドロゲンレセプターに関わる遺伝情報が、母親から受け継ぐX染色体に含まれているためです。X染色体は母親からのみ受け継がれる染色体になります。

そのため、アンドロゲンレセプターの感受性が強い遺伝子情報を受け継いだ場合には、薄毛になりやすい可能性があると考えられています。しかし、アンドロゲンレセプターに対する高感受性を示す遺伝子情報をもっていても、必ずAGAが発症するわけではありません。

また、その他にもAGAには睡眠や運動不足、不摂生な食事などの質の悪い生活習慣や日頃のストレスが環境要因として関わっているとされています。中でも、「肥満」はAGAの重症度や発症時期に影響を与えると考えられています。しかし、“肥満であることがAGAの発症率に影響している”という医学的根拠は現時点では認められていません。家系や体質的に将来の薄毛が気になる方は、一度早い段階で医師の診察を受けてみるのもよいでしょう

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