女性の薄毛(FAGA、FPHL)は何故起こる?「FPHL」とは?新しい女性の脱毛症概念を医師が解説
目次
1 FPHLとは
加齢とともに頭髪が薄くなり悩みを抱えるのは男性のイメージが強いですが、女性が薄毛に悩むケースも少なくありません。最近は女性の脱毛症を表す「FPHL」という新しい概念も登場し、症状や治療方法に注目が集まっています。
今回は、FPHLについて詳しく解説します。女性の脱毛症に一般的に用いられてきたFAGAとの違いや、主な症状などを細かく説明します
01FPHLは2017年版ガイドラインで登場した新しい概念
02 私FPHLかも?
一般的な女性脱毛症のパターンは、前頭部の生え際の脱毛から始まって、前頭部の幅が広がり、全体のボリュームがダウンしていき、クリスマスツリー型の薄毛が目立つようになるというのが進行の仕方です。老若男女を問わず発症する可能性があります。
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- 01 ルートウイッグ型
頭頂部から後頭部が徐々に薄くなっていく
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- 02 クリスマスツリー型
髪の生え際から頭頂部が薄くなり木のように広がっていく
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- 03 ハミルトン型
生え際に剃り込みが入っていく
以上は、加齢によってホルモンバランスが崩れることで発症することが多いようです。前頭部から中央部の脱毛が目立ち後頭部と側頭部の毛髪は正常であることが多い。意外に感じるかもしれませんが、ヘアカラーやパーマなどの刺激による進行はホルモンバランスと関係ないため、進行させることは無いと言われてており、改善のためにFPHLと別メニューの治療を行います。
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- 04 休止期脱毛症
側頭部も含めて紙全体が薄くなる脱毛症。休止期脱毛症の病態は十分に解明されておりませんが、身体的に強く消耗した状態である熱性疾患罹患後、大手術後、出産後、過激なダイエット、極度の心身ストレスなどを契機として大量の脱毛を認める疾患であり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後に認める脱毛の多くは休止期脱毛症の一種であると考えられています
2 FPHL以外の脱毛症
01甲状腺の病気
甲状腺とは首にある器官で、体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンを分泌しています。バセドウ病・橋本病など甲状腺に異常をきたす病気にかかると、甲状腺ホルモンの分泌量が減ることでホルモンバランスが崩れ、脱毛を伴う場合も。はっきりとした原因は分かっていませんが、男性と比べると女性の方が発症するケースが多く、FPHLと似た症状に感じるケースもあるようです。
02卵巣の病気
卵巣腫瘍や良性の多発性嚢胞卵巣症候群(PCOS)では女性の急速な脱毛症を引き起こす場合があります。
03副腎の病気
副腎腫瘍や副腎過形成などの高アンドロゲン症では女性の急速な脱毛症を引き起こす場合があります。
04頭部白癬
しらくもは水虫の原因などでも知られる白癬菌が頭部に住み着くことで発生する皮膚病の一種です。楕円形に脱毛する症状が現れるため、円形脱毛症と間違えられるケースがあります。水虫などと違い、かゆみなど自覚症状が少ないのも間違えられる原因の一つ。患部の毛が折れやすくなり、表面にフケのようなものが見られるのが特徴です。
05牽引性脱毛症
三つ編みやポニーテールなど、ヘアアレンジを楽しむのは女性ならではですが、毛髪を引っ張る力が常に加わっていると「牽引性脱毛症」が発症する可能性もあります。前頭部の生え際などに発症するケースが多く、FAGAによる部分的な脱毛と似た症状に見えることも。髪の毛が引っ張られることで血行が悪くなり、栄養が不足することが原因です。毎日ヘアスタイルや縛り方を変えるなど、同じ場所を引っ張り続けないように気をつけましょう。
3 FPHLの治療は?
細部につきましては、次の記事で詳しく解説いたします
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- リスト01 ミノキシジルによる治療
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- リスト02 スピロノラクトンによる治療
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- リスト03 ミノキシジルとスピロノラクトンの併用療法
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- リスト04 パントガールによる治療
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- リスト05 成長因子による治療